プロテインは、現代人に不足しがちなタンパク質を手軽に補える製品として、注目を集めています。そして、このようなブームの渦中で、プロテインだけで筋肉がつくといったうわさを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、プロテインだけで筋肉はつくのかどうか説明します。
「プロテインを飲んでいるけれど筋肉がつかない」とお悩みの方を頻繁に見かけますが、プロテインは飲むだけで筋肉をつけられる魔法の製品ではありません。
筋肉が大きくなるのは、「筋肉が損傷した後に、タンパク質が補給により筋肉が修復される」というサイクルが繰り返されるからです。プロテインによる筋肉増強の効果を活かすには、筋肉に適度な負荷を与えなければなりません。
具体的な筋トレ内容としては、「週3回以上の頻度、10回で限界を感じる重量、1セット10回で3セット以上」というのが、筋肉増強のために効果的です。
週1回で強度が低く、セット回数も少なければ、仮に筋トレに励んでいても筋肉はついていきません。
プロテインは筋肉をつけるために有効なサプリメントですが、それだけでは効果が薄いことを認識しておきましょう。
タンパク質は筋肉をつけるために重要な栄養素ですが、そのためにプロテインばかりとっていると筋肉が大きくならないことがあります。それは、筋肉をつけるための他の栄養素が不足することで、タンパク質をうまく活用できていないからです。
例えば、筋肉の源であるタンパク質がいくらあっても、それを筋肉に運べなければ意味がありません。そして、この運搬役を果たしているのがインスリンと呼ばれる成分です。
しかし、このインスリンは炭水化物を摂取しなければほとんど分泌されないので、炭水化物不足により筋肉が大きくならないという現象が発生するのです。
また、炭水化物の極端な制限を続けると、太りやすい体質をつくってしまう可能性もあります。運動によってエネルギーが不足するとグルコースが消費されますが、これが不足すると筋肉を分解してエネルギーを補給しようとします。筋肉が落ちると代謝が下がるので、運動によってカロリーを消費しているのに太りやすくなってしまう恐れがあるのです。
筋肉に刺激を与えずプロテインを飲むだけでは、筋肉がつくことはほぼあり得ません。さらに、いくら筋トレしていてもプロテインだけをとっていては、むしろ筋肉が落ちてしまうこともあります。
あなたも筋肉が大きくなる原理を把握して、プロテインを有効に活用しましょう。